「高品質な翻訳を見極める大事なポイント」をわかりやすくお伝えしていきます。
最近ではGoogle翻訳をはじめAI・機械翻訳が品質の精度を上げ、翻訳が私たちにより身近な存在となっています。グローバル化が進むなか、企業で製品マニュアルや契約書などを翻訳する必要に迫られる場面も増えているのではないでしょうか。
しかし、もしあなたが機械翻訳を通して訳された文章を見て、「なるほど、これはクオリティの高い文章だな」と判断できるかといえば、これはそんなに簡単な話ではありません。
もちろん、非常に語学に長けていて品質の良し悪しを判断できる方もいらっしゃるでしょう。しかし、英文の品質を判断できるほどのスキルを兼ね備えた人は、一般的に限りなく少ないと言って良いでしょう。
では、そもそも「良い(=高品質な)翻訳」はどのようなものでしょうか。
そして、どうしたら良い翻訳にたどり着けるのでしょうか。
目次
高品質な翻訳とは
高品質な翻訳とは、ずばり「伝わりやすい翻訳」です。もっと言えば「正しく伝わる翻訳」です。
よく流暢でなめらかな翻訳が良い翻訳と思われがちですが、それは一つの要素であって本質ではありません。流暢な翻訳を意識しすぎるあまり原文とかけ離れて訳してしまったら、本当に伝えたいことが伝わらず、誤訳になる恐れすらあります。
もし機械設備の取扱説明書で「正しく伝わらない翻訳」がなされていたらどうでしょうか。
それを取り扱う現場担当者が誤った作業手順で操作をしてしまい、重大な事故につながることも考えられます。
作者の意図が込められた原文を逸脱せずに正しく訳すことは高品質な翻訳の十分条件ではありませんが、大切な必要条件と言えます。
高品質な翻訳を見極めるには
AI・機械翻訳の精度が上がっているとは言え、いまだ充分な品質水準に達しているとは言えません。
そうしたなかで、自分自身で何とか翻訳をしようとしますが、
これは危険です!
翻訳はセンシティブな作業であるため、普段から翻訳をやり慣れていないと、思わぬところでミスをしてしまうことも出てくるからです。
また、翻訳にかかる時間は相当なもので、それに時間をかけるくらいなら他の仕事をした方がマシです。
結局はプロの翻訳者をかかえている翻訳会社に任せることです。「餅は餅屋」の発想です。
それでは、数多くの翻訳会社からどこを選べば良いのか。
翻訳会社を選ぶポイント
1. 原稿内容を確認
第一に、自分が依頼しようとしている内容を確認し、その内容に強みを持つ翻訳会社を選ぶようにしましょう。
翻訳会社によって分野の得手不得手があります。
例えば、特許に強みを持つ翻訳会社もあれば、論文に強みを持つ翻訳会社もあります。一方で、医療・メディカル分野を苦手とする翻訳会社もあります。
まずは手元にある翻訳原稿の内容に合致すると思われる翻訳会社をピックアップしましょう。
2. 品質管理が整備されているか
翻訳において品質は価値の源泉です。
高い品質は翻訳者が作り上げるものですが、依頼者側が翻訳者を選ぶことはほとんどありません。
しかし、それは翻訳会社側で原稿内容に合致する最適な翻訳者を見極めるため、心配はいりません。
では、どこで品質の差が生まれるのでしょう。
それが、翻訳会社が行なっている「品質管理」です。
翻訳会社のウェブサイトを見ていると、各社が品質に関わる様々な取り組みをしていることが分かります。
- 優秀な翻訳者を多数登録している
- 社内でのチェック体制が万全である
- 用語管理を徹底している
- コーディネータを専属でつけ、スムーズな進行管理のもと作業が行える
- 納品後の修正作業などアフターフォローも万全である
などが挙げられます。
特に、「社内チェック体制」「用語管理」は翻訳の品質を維持するための重要な要素ですので、ウェブサイトでそうした管理体制が敷かれているかを確認しましょう。
3. 優秀なコーディネータが在籍しているか
実際に翻訳作業がスタートしていくと、翻訳会社に在籍するコーディネータが中心的な役割を果たします。原稿内容の確認から翻訳者の選定、スケジュール管理、質問のやりとりなど業務は多岐に渡ります。
つまり、優秀なコーディネータが多数在籍しているかは、翻訳会社を見極める大きなポイントです。
翻訳作業では、そもそも原稿が不完全であったり必要資料が不足するなかで作業を強いられることが多くあります。こうした作業上の問題点や疑問点を主にコーディネータが浮かび上がらせます。
もしあなたが翻訳会社に翻訳を依頼をしようと考えたとき、まず原稿を送ります。
優秀なコーディネータなら、翻訳作業のプロセスで想定される疑問や問題点を浮かび上がらせて、問題提起や提案をしてきます。そうすることで、結果として丁寧な仕上がりが期待でき品質も安定します。
逆に何の問題提起もなく、淡々と作業が進み翻訳が納品された場合、後になって「こんなはずじゃなかったのに!」のようなことになりがちです。
良い翻訳会社かどうかを確認するには、まず原稿を翻訳会社に送ってみてみることです。
すると、
「原稿内容に関わる資料で、〇〇の資料が不足していますが、手元にありますか」
「仕上げの形態が△△と□□がありますが、どちらが良いですか」
「日本人翻訳をご希望されていますが、この内容ならネイティブによる翻訳が良いかと思います。なぜなら〜」
「この原稿に関わる用語集をお持ちですか」
「このキャッチフレーズは内容全体に関わる重要な部分だと思われます。いくつか案をお出ししましょうか」
などなど、様々なことを質問してきます。
こうした質問が出てくる翻訳会社なら、それだけ原稿内容に真剣に向き合っている証しであり、安心して任せることができます。
まとめ
高い品質の翻訳を求めるのなら、翻訳会社にお任せすることが一番です。絶対、自分でなんとかしてやろうと思わないことです。
もし英文原稿を日本語に翻訳する場合で、「ざっと内容が把握できれば良い」程度であれば、Google翻訳にかけることはオススメです。
どの翻訳会社に頼めば良いかわからない場合は、2〜3社候補をあげて相見積もりにすると良いでしょう。料金の比較ができますし、原稿を送ってからの各社のレスポンスを確認することもできます。
以上になります。最後までお読みいただき、ありがとうございます。