目次
急騰銘柄をいかに発掘するか 元証券マンが語るその方法とは
「今後、株が急騰しそうな銘柄を探したい」
「株価上昇銘柄を探すポイント、方法を知りたい」
せっかくなら株価が急騰する前に買いたいと思うのは、誰しも同じでしょう。
この記事では、どのようにして急騰銘柄を発掘できるのかを元証券マンで国際テクニカルアナリストの視点から解説していきます。
【プロフィール】
さわっち(本名:澤 圭太郎)
野村證券で11年間の勤務を含め計16年間の証券営業を経験。国際テクニカルアナリストの資格も保有。退職後、本格的に株式投資を開始。その知識・経験から株式投資で必要な知識や本当に知っておくべきことをブログを通じて発信しています。既に投資をされている方や、これから投資を考えている方に少しでも有益な情報をお届けしてまいります。
運営ブログ:Classical Taste 投資・マネーなどを簡単解説しています。
資格:国際テクニカルアナリスト連盟
検定テクニカルアナリスト (Master of Financial Technical Analysis、MFTA®)
*テクニカルアナリストでの最上位資格
急騰期待銘柄発掘3つのポイント
①信用倍率が急改善している銘柄を探す
信用倍率って何ですか?
信用倍率は、信用取引における売り方と買い方のバランスを比率にしたものです。
「信用買い残÷信用売り残」で計算されます。倍率が低いほど好需給で、市場から好感されやすくなります。
信用取引は6ヶ月以内に決済を行わなければなりません。言い換えると、6ヶ月以内に原則反対売買することが多く、例えば信用取引で売り建てしていたら、買い戻さなければなりません。
・信用売り残 → 将来の買い圧力
・信用買い残 → 将来の売り圧力
つまり、信用売り残が増えてくると、買い圧力が強まってきていると言えます。
日付 | 売り残 | 買い残 | 信用倍率 |
4/11 | 361 | 1387 | 3.8 |
4/18 | 378 | 1241 | 3.3 |
4/25 | 388 | 1061 | 2.7 |
5/2 | 312 | 1043 | 3.3 |
5/9 | 327 | 1020 | 3.1 |
5/16 | 1131 | 1045 | 0.9 |
5/23 | 1154 | 1033 | 0.9 |
例えば、表のように5/16から信用売り残が急増し、それとともに信用倍率が1倍を割ってきていますよね。
このように信用買い残数は変わらず、信用売り残数が急増することで信用倍率が低くなることは、信用取組の改善が進んでいると言えます。
需要(買い手)と供給(売り手)のバランスが良くなり、将来の買い圧力が強まってきていることを示唆しています。
一つの例ですが、信用取組が極端に改善するパターンもあります。
(例)信用倍率30倍→4倍→1.5倍→0.8倍
こうした場合は、株価がすでに急騰し始めていることが多いです。取組改善の初期段階なら、買いに乗っていくことも選択肢の一つです。
②出来高急増銘柄を探す
信用倍率の改善とともに注目すべきことが、「出来高の急増」です。
「出来高は株価に先行する」という格言があります。
この格言は割と的を得ていて、出来高が急増すると、その後に株価が大きく動くといったことがよくあります。
そして、先ほどの「信用倍率の急改善」と「出来高急増」が組み合わされば、株価は急騰することが多くなります。
出来高の増加は、それだけ多くの投資家が注目しているとも言え、エネルギーが蓄積されていることを意味します。
したがって、出来高急増は株価上昇の必要条件と言えます。
③マーケットで今注目されている銘柄を探す
どれだけ株価が低く割安に放置されていても、投資家から全く注目されていなかったら、いつまでたっても
日の目を見ることはありません。
そこで、下表はヤフーファイナンスの画面ですが、ここでまず注目するのが「銘柄別投稿数」です。
「もっと見る」をクリックすると、次の画面となります。
掲示板投稿数で上位の銘柄は、株価が上昇もしくは下落で今まさに注目されている銘柄と言えます。
しかし、これだけでは株価上昇で注目されているのか、下落で注目されているのかが分からないため、個別に一つずつチャートで確認します。
チャートで株価が上昇しておらず、株価位置もそれほど高くない場合は、投資有力候補としておさえておきましょう。
いつもそうした銘柄があるとは限りませんが、あれば儲けものです。
これはあくまでも株式銘柄選定の第一ステップです。
第二ステップは、これに先ほどの信用倍率や出来高増加などの材料を加えて総合的に投資判断します。
これにより目先の乱高下に振り回されず、本当に将来性があって今後も上昇が見込まれる銘柄なのかを見極めることが可能となります。
まとめ
今回は、急騰銘柄を発掘する方法として、信用倍率や出来高といったテクニカルな手法と、現在注目されている銘柄を拾い出す方法をまとめました。
注意すべきことは、たとえ投資家から注目されている銘柄でも、株価が非常に高値圏に位置していたり、需給が悪い(信用倍率が高い)場合などには、株価上昇も継続せず限定的になるということです。
したがって、信用倍率で需給が改善してきていることや出来高、株価位置をしっかり確認して投資することをおすすめします。
今回の記事が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。