テレワークにより、新築戸建へ人気がシフト

不動産

2021年2月26日更新

首都圏のマンション高騰によって、取得をあきらめている人が増えるなか、注目されているのが「新築戸建て」。いわゆる「建売住宅」なら、価格は新築マンションの6割程度。テレワーク時代で、「狭くても会社から近い利便性重視」から「ゆったりした広さがあり会社から離れても良い」と住まい選びの志向に変化があらわれていることにも注目です。

 

新築マンション31%上昇 新築戸建ては横ばい

首都圏エリアの新築マンションは、日銀による未曾有の金融緩和と東京オリンピック・パラリンピックの開催などを材料に、資産価値が上昇すると見込んで、個人、外国人、法人を問わず様々な方面からの購入が絶えず、地価も毎年上昇を記録しています。

2009年には首都圏エリアの新築マンションの平均価格4535万円だったのに対し、2019年には5980万円まで上昇しています。10年で31.9%の上昇です。

 

そんな中で注目を浴びているのが、新築戸建て、いわゆる建売住宅です。

その最大の魅力は価格の安さにあります。
2009年には首都圏エリアの新築戸建ての平均価格3565万円だったのに対し、2019年には3510万円です。10年でもほとんど価格は動いておらず、フラットです。しかも2019年で見ると、新築マンションの6割以下の価格で、新築戸建てが手に入るのです。

新築マンションが難しいなら中古マンションという選択肢もありますが、実は中古マンションも値上がりをしてきているのです。この10年で38.2%も上昇しており、新築戸建てとの価格水準はほぼ同じになってきています。それならば、使い古された中古マンションより真っさらな新築戸建てを購入しようとする人が増えても不思議ではありません。

そしてもう一つの魅力は土地面積の広さです。
2009年は平均108.01㎡だったのが、2019年には122.58㎡に拡大しています。新型コロナウィルス感染症拡大の影響でテレワークが広がっています。都市から多少離れていても、ゆったりした広さを確保でき、仕事スペースを確保しやすい戸建ての人気は近年急速に高まっています。今後も立地・アクセス重視のマンション派から居住空間重視の戸建て派がますます増えていきそうです。

テレワークの働き方

統計グラフ:リビングの一角で仕事をしているひとが圧倒的に多い
出所:ヘーベルハウスHPより

 

自宅でのテレワーク勤務が定着してきたという方も多いのではないでしょうか。

その一方で急なテレワーク化に伴い、その場しのぎの作業場としてダイニングテーブルの片隅で仕事をしている、などのお話しもチラホラ。また、リビングの机で仕事をしようと思っていても、なかなか頭の切り替えができず集中できない、という声も。左図でも示されているように、リビングで仕事をしているひとが圧倒的に多いのが実情となっています。

 

新しい生活様式に対応する戸建てが続々!

新型コロナウィルス感染症のさらなる拡大を防ぐため「新しい生活様式」の確立に向けた取り組みが進められており、テレワークスの推進はその一つでしょう。通勤電車やオフィスでの「密」を避けるため、今後もテレワークを継続する意向の企業は少なくありません。働く人たちの中にも、テレワークを続けたいとする人は多く、新しい生活様式を意識するワークスタイルになると思われます。

しかし、先にも述べたように、日本の住まいの多くはテレワークを想定しておらず、仕事に集中できるスペースが確保できていないケースがほとんどです。住宅メーカーでも快適にテレワークができるようなさまざまな家づくりの設計を試みています。

大和ハウス工業で「テレワーク専用ルーム」を開発

戸建てでは大和ハウス工業が「テレワーク専用ルーム」として、独自のノウハウを採用したクローズド空間とセミクローズド空間を提案しています。

外の音や情報セキュリティを気にせず仕事に集中できるクローズド空間「快適ワークプレイス」は、防音性が高く、電話の音漏れや子どもたちの騒ぐ声などを気にしなくてすみます。

もう一つのセミクローズド空間「つながりワークピット」は、リビングにつなげて設置するマルチスペースです。ドアを閉めても窓から家族の気配を感じることができ、仕事と家事・子育ての両立をしやすくなっています。

●ポイント

1.仕事に集中できる防音仕様のクローズド空間「快適ワークプレイス

2.仕事と家事・子育てを両立したい人のセミクローズ空間「つながりワークピット」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「快適ワークプレイス」・「つながりワークピット」誕生

旭化成ホームズはリビングとワークスペース一体型が特徴的

旭化成ホームズが扱うへーベルハウスは、「プライベート」「セミオープン」「オープン」という3つのスタイルを提案しています。なかでも特徴的なのが「オープン」スタイルです。

リビングとほとんど一体になったワークスペースのほか、趣味のクルマを眺めながら仕事ができるような空間の提案も。休憩や家族との時間も楽しむことができるでしょう。

 

ヘーベルハウスでは、リモート環境をサポートするセキュリティシステムの開発、販売も始めています。個人情報漏えいや乗っとりと行ったサイバー攻撃から守るシステムで、子どもがゲーム機やタブレットを使っていてもテレワーク用の回線は安定するシステムです。

在宅でのテレワークはセキュリティや通信速度が課題になりがちですが、これだとスムーズに仕事に取り組めそうです。

まとめ

これまで多くの企業で取り組みが遅れていたテレワークですが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、今ではすっかり定着してきました。しかし、これによって働き方の様々な問題も浮かび上がってきました。その一つが、テレワークスペースの確保です。

「住むためだけ」が主だったこれまでの住まいから「住むと仕事を両立できる」住まいへ。
各ハウスメーカーも試行錯誤の段階ではありますが、様々な提案が出てきており、今後新たな展開が期待できます。

アクセス・利便性を重視して買われていたタワーマンションも、不動産市況の高止まりによって取得をためらう方も増えてくると予想されます。今後は物件価格もそれほど高くなく、かつ、「広くてゆったりした居住空間」である郊外の新築戸建てに注目が集まるかもしれません。

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