「恒大集団は破綻したのか?」
格付会社フィッチは、巨額債務を抱えて経営難に陥った中国恒大集団の格付けを部分的な債務不履行(デフォルト)と認定しました。
理由は米ドル債の利払いを確認できなかったからです。
米ドル債の発行残高は2兆円規模で、中国企業として今後過去最大のデフォルトになる可能性があり、今後の海外投資家の中国企業に対する警戒が一段と強まりそうです。
こんにちは。
ちゅん太郎です。
ちゅん太郎、大変なニュースが入ってきたんだ!
実は中国不動産大手の中国恒大集団が部分的なデフォルトに陥ったみたいなんだ。
中国恒大集団?
デフォルト?
何か大変なことが起きているの?
いきなり言われても分からないよね。
恒大集団は、中国最大級の民間企業で不動産開発大手。
1996年に設立され現在では280以上の都市で事業展開し、不動産開発事業で急成長してきた。
ただ急成長の裏で高リスクを抱える典型例な会社と言える。
日本のバブル期にあった“土地転がし”と同じで、とにかくどんどん借金をしてそれを不動産購入にあてて、値上がりした不動産を転売するといった繰り返しで急成長してきたんだ。
会社の規模がめちゃくちゃでかく、一時期の総資産は22兆円ほどの規模だったんだよ。
すげー!!
でも、そんなに大きな不動産会社がデフォルトになったんだね。そもそもデフォルトってどういう意味?
デフォルトは債券の利払いや償還が約束通りに行われない状態を指すんだ。
6ヶ月以内に2度の不渡りを出すと銀行取引停止処分を受け、金融機関と当座預金・貸出取引が2年間出来なくなるため、一般的には倒産することがほとんどなんだ。
それじゃ、恒大集団も倒産したってこと?
実は自らが倒産したことをまだ認めていないんだ。
どういうこと?
恒大集団は、子会社「天基控股」が発行した社債の8250万ドル(約93億円)の利払いができず、2回目の不渡りを出したんだけど、いまだに事業は継続していて香港取引所でも株式の売買が続いているんだ。
フィッチが認定している「部分的なデフォルト」とは、債務不履行となりつつも倒産手続きが始まっておらず、事業が継続している状態を指すんだ。
中国では不渡りを出したからといって倒産する慣行がないみたい。
なーるほど。
さわっち何でも知ってるね。
でも倒産しないんだった、別に気にしなくていいんじゃないの?
なんで毎日のようにニュースに取り上げられているの?
2008年に発生したリーマン・ショックのような事態が再来するのではないかと心配しているんだ。
恒大集団の負債総額は6月末時点で約35兆円もあるからね。処理を誤ると、さまざまな金融商品が連鎖して危機を引き起こす恐れがあるんだよ。
35兆円!!!
今年の日本の国家予算が106兆円だから、その3割ぐらいの金額じゃないですか。それは金融市場だけでなく実体経済に与える影響も大きそうだよね。
問題は、こうした状況は恒大集団だけの話じゃないんだ。
多くの中国の不動産会社は好景気を背景に、イケイケどんどんで身の丈に合わない銀行借入で不動産事業を行ってきたんだ。
しかし、不動産バブル崩壊を懸念した政府が強力な規制を出し借入が厳しくなり、不動産取引まで減った。
まさに負のスパイラルの始まりだね。
もし恒大集団だけでなく他の不動産会社にも影響を及ぼし連鎖倒産に発展したら、コトはそう簡単には終わらない。
中国全体に影響を及ぼすだけでなく、グローバルマネーを通して世界全体に波及する可能性があるんだ。
特に今は、米国をはじめ世界的な金融引き締め時期と重なってくるので、負のマーケットインパクトは大きくなると考えるんだ。
何だか怖くなってきた。今後どうなっていくの?
中国政府も混乱が広がらないように処理を進めている。
恒大集団は6日、経営危機の対処にあたる「リスク管理委員会」の設置を発表した。これに広東省政府は恒大集団に作業チームを派遣するなど関与を強めている。
加えて中国人民銀行は12月15日から「預金準備率を0.5%引き下げる」とし、流動性供給を高める姿勢を鮮明にしたんだ。
これにより市場に1兆2000億元ほど(約20兆円)の流動性が供給されると予想されている。
いずれにしても、中国政府が恒大集団のような巨大企業の破綻を放置する可能性は非常に低いと考えているんだ。なぜなら中国の体制の安定が損なわれる可能性があるからね。
よく分かったよ。まだまだ終わりじゃないみたいなので、これからも気をつけてニュースを見てみるよ!
そうだね。僕もまた何かわかったらお知らせします。